これからの時代に必要なものは何か


戦後の高度経済成長期を経てバブル崩壊以後、失われた20年が続き、さらに2011年の東日本大震災を経験したことで改めて私たちの暮らしそのものについて、また真の豊かさについて考え直す事が多くなりました。
そこで痛感したのは、商品経済の発達に注力したあまり、日本そして一個人が持つ資本そのものが活かしきれていない現状でした。

既存社会システムは生産性に重きを置き過ぎている為、個人同士の関わりを大切にし、イノベーティブな発想をどう活かすか考え、未来環境において語り、行動する事がないがしろにされています。
私たち人間が存在している限り、負の遺産に対しても目を背けず向き合わなくてはなりませんし、また現在の物質的に豊かな暮らしを根本から変えること自体、社会次元的に難儀と言えます。しかしその一方、いかに正の遺産を創造的に生み出すかが今後の鍵であり、また時代転換期に向けてより一層必要なアクションとなってきています。

それには、【ホスピタリティ】が欠かせないと当財団は考えています。
日本語に正確に翻訳する事は難しい言葉で、多くの場合は「おもてなし」と訳されがちですが、語源は、自分を脅かすかもしれない「hostile(敵)」をどう歓待するか、受け入れ共に利を享受するという実に高度な技術をさします。あくまで個と個の間で生まれるものでありますが、サービスの原理に留まらず、むしろ大きく凌駕して(対比的でもあり)どの分野においても活かされるものであり、大局的には経済価値を換える概念といっても過言ではありません。

そこで当財団はこれまでホスピタリティを原理として研究、実践されてきた方々とともに話し合い、

・ ホスピタリティの社会的指標を示していくアワード事業
・ ホスピタリティ環境を生み出す環境設計事業
・ ホスピタリティ技術や人材等を活かす世界貢献事業

以上の3つを軸とし、少しずつ形にしていく事で
人々が喜びをより実感出来る様な平和な世界を築けることに向けて、設立いたしました。

今後とも皆様の一層のご指導、ご支援の程よろしくお願い申し上げます。